【唐瀬校】国語のお話 作文②  「体験」を書く

「そう思った理由を、自分の体験を踏まえて書きなさい」というような条件のついた課題作文を、昨今の入試や学調でよく見かけます。

簡単に「体験を書く」と言いますが、この「体験を書く」が意外と難しいのです。

ブログをお読みの皆さん、「体験を書く」とは、具体的にどうすることなのでしょうか?

ただ「〜したことがある」などと書けば「体験を書」いたことになるのでしょうか?

 

賢明な方はもちろん「〜したことがある」と書いただけでは体験を書いたことにならないとお気づきでしょう。

では、具体的に何を書けば「体験を書」いたことになるのでしょう。

「体験を書く」とは、自分に起きた事実(出来事)を書くことに他なりません。

起きた出来事を相手に正確に伝わるように書くための要素は「5W1H」です。

したがって、「いつ」「どこで」「だれが」「何を」「どのように」「どうした」のか明確にして書けば、事実(出来事)を記述したことになります。

ただ、課題作文においては、120〜180字くらいまでという字数制限があります。

その中で「5W1H」を全て明確にするのはやはり無理があります(書いてみると、わかります)。

そこで、特に重視したい内容は「いつ」「どこで」の2つです。

この2つを明確にすれば事実として相手に伝わりやすなるのです。

例えば、

先週の日曜の夕方、5時ごろのことでした。私は千代田4丁目のバス停から静岡駅までバスに乗りました。

のように書けば、出来事が出来事らしく伝わります。

これを

私は前にバスに乗って静岡駅へ行ったことがあります。

のようにただ「〜したことがある」に書いてしまうと、やはり抽象的な内容となってしまいます。

体験(出来事)を書くのは、自分がそう考える理由に強い説得力をもたせるためです。

「5W1H」を書き表すことで、説得力のある文章を書けるようにしていきましょう。

また、なかには「そんな体験がない」という生徒さんがいます。

そのような時は体験を「創って」ください!

作文の問題では「書く」技術が評価されます。

書かれている事柄が事実なのかそうでないのかが評価されるわけではないのです。

躊躇(ちゅうちょ)せずに「出来事」を創造し、「出来事」として的確に書き表しましょう。

 

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【アカシ】