科学が発展していく過程では、科学的であると考えられていたものが実はそうではないとわかることもあります。
科学というのは、一般的に自然現象について予想し、実験や証明で確かめていきます。また、このときの予想は、当たることに加えてより単純なものが良いとされています。例えば、電気や磁石に関する現象をまとめたマクスウェル方程式は、彼が考えた当初は20もの方程式で表されていましたが、今で書き方が改良され、より単純な4つの方程式で表されています。
現在の科学は、こうした予想の中で取捨選択されたより良い科学が残ったものです。なので、歴史上まだ誰も見ていない現象に関して言えば、常に正しいと言えるわけではありません。科学的であったものでも、現代の科学で見ると良い物ではないように、今科学的と言われているものでも、将来科学的ではないと言われる可能性はあります。
赤駒
現代の科学では、木が燃える時、空気中の酸素と木を構成する炭素などが結びついて、例えば二酸化炭素として飛んでいくとされています。ところが18世紀にこの酸素の存在と役割が提唱されるまでは、「熱素」と言われるものが物質に含まれていて、それが放出されることで物が燃えていると考えられていました。この「熱素」という考え方は当時、燃焼という現象がかなり正確に説明することができていたため、多くの人に信じられていました。
黄駒
しかし、熱素説は、鉄などの金属の燃焼に関して上手く説明することができず、皆を納得させることができなかったため、今では科学的ではないと言われています。
閑話休題
観測技術や検証が十分でないために、科学的な本質を掴んでいないものも科学できてあるとしてしまうことがあります。現代科学も万能ではありません。科学は発展途上の物になります。なので、科学は発展途上ということを知ったうえで、それを発展させるにはどうしたらいいのだろうかということを考えましょう。そして、少しでも興味があるのであれば、その道に進んでみてはいかかでしょうか。
SCIENCE IS ELEGANT
「知る」ことで世界が「広がる」、「学ぶ」ことで世界が「色付く」