こんにちは。鎌矢です。
また寒くなってきましたねと書いたその次の週は、「また暖かくなった…?」と書くことになってしまいました。なんとも不思議な気温ですね。冬に寒くなるのは、太陽との距離が変わるからです。まあざっと調べてみると、夏に1億5210万km、冬の頃に1億4960万kmとなるみたいです。数%の変化でも、過ごしやすさへの影響は半端ないですね。宇宙開発もラクではなさそうなのはよくわかります。
さて、太陽との距離といえば、大学でこんな話を聴きました。
「太陽は冷たい物体だ」と。
???? 話の内容としては、以下の通りです。
「地表は暖かい」「だが山に登ると寒い」「山に登ると、太陽との距離は近くなる」「冷たいものに近づくと、寒くなる」よってまとめると、「山に登るとさむくなるのは、冷たい太陽に近づいたためだ」と。
???????? いや、違うが?
太陽が冷たいなど、信じるわけがありません。理論は、まあ流れとしてはいいとして、太陽が冷たいなんて結論、誰も信じません。これが受験を戦い大学入学を勝ち取ることで得られるもの…?加えてこれは大学でもなく、大学院での話でした。大学院の最初の講義がこの話でした。
地表が暖かいのは、太陽のエネルギーを地面が受けとっているからです。標高が上がると寒くなるのは、熱を受け止める地面が少ないからです。加えて、空気は密度が下がり、膨張することで、温度が低下するからです。さきほどの理論は、調べた要素が足りていません。そのせいで、間違った結論が出てしまったのですね。
「次は君たちかもしれない」教授は言いました。調べることが足りていないと、少ない情報の相関関係を、あたかも因果関係があるようにこじつけ始める。それっぽい言いくるめ出来そうな話をすれば、科学者はいくらでも嘘をつける。間違った結論を新発見のように発表できるのだと。地表と山頂の表面温度、気圧、空気の体積変化による影響など、多くの要素が絡んで起きた「山頂は寒い」という現象、太陽との距離しか調べない者には、こんな結論を出せるはずがありません。
太陽が熱いか冷たいか、調べましょうと言われたときに、何ができますか。誰も触ったこともない太陽。太陽の光を浴びると掌が暖かくなるから、熱いといっていいのでしょうか。そう言うためには、熱いものは光を発するのか、調べる必要があります。ではホタルやホタルイカは熱いものなのか。これは例外なのか。いや実は少し熱いのか…物を知る、というのは難しいものです。それがいくつの現象が合わさったものなのかさえも、誰も教えてくれません。
私の大学では、表面張力や物体の流体内での沈降、流体の壁面摩擦など、高等教育では教わらない話を学びます。知識の不足が間違った結論を誘発するなら、知識をつけることこそが、正しい結論に至るための必須事項です。さらにその知識をもとにして、調べつくす。その行動力も備わって、初めて何かを成せるかもしれない。研究とは、そういうものであると。無知は罪、学びは自分を高めるなんて話散々聞いてきましたが、その言葉の重みを知ると同時に大学という研究施設の偉大さを感じたそんな講義でした。
…あ、じゃあ皆さんも知識をつけましょう。冬とかに。
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