炭素 語源:ラテン語の「carbo木炭」に由来 原子量12.01 融点:3550 ℃(ダイヤモンド) 沸点:4800 ℃(ダイヤモンド)
炭素は古代から知られている元素で、我々の身近なところに多く存在していて、生命において最も重要な元素といっても過言ではありません。というのも、我々の生体中に存在しているタンパク質や糖といった化合物にはすべて炭素が含まれているからです。化学では、炭素を含む化合物を有機化合物、炭素を含まない化合物を無機化合物といいます。(これからすると、炭素の単体や二酸化炭素も有機化合物ですが、伝統的に無機化合物とすることが多いです)
赤駒
炭素繊維をご存じでしょうか。これはカーボンファイバーの名前で広く知られており、航空機・ロケット・自動車・人工衛星・スポーツ用品等といった幅広い分野で利用されています。炭素繊維の特徴としては「軽くて強い」ことが挙げられます。鉄と比較すると、重さが4分の1に対して強度が10倍あります。さらには、耐熱性・耐酸性・耐摩耗性にも優れています。しかし、コストの高さやリサイクルの難しさ等の欠点もあるため、そこまで日常生活の中にあふれているというわけではありません。しかし、この先、研究が進めばこのような課題も解決するかもしれません。
黄駒
炭素の化合物の一番に思いつくのは二酸化炭素ではないでしょうか。現在地球温暖化の原因ともいわれている二酸化炭素ですが、空気中には約0.04 %存在しています。この二酸化炭素の排出を抑える、もしくは効果的に二酸化炭素を除去する研究が世界中で進められています。再生可能エネルギーや電気自動車といったものは二酸化炭素の排出を抑えるこうかがあるものとして研究が進められています。二酸化炭素を除去するものとしては、固体吸着剤を利用して二酸化炭素を大気中に放出しないものや、人工的に作り出した物質で光合成をおこなうことで、植物に頼らずに二酸化炭素を糖に変換するといったものが研究されています。
これらの研究の難しいところは、二酸化炭素さえなくなればいいというわけではないというところです。二酸化炭素が減る代わりに他の有害物質が出てきたりしてはいけないわけです。こうした研究は現在世界中で行われているので、興味のある人はぜひその道に進んでみてはいかがでしょうか。
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文理学院中島校 理系担当 伴野
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