リチウム
語源:ギリシア語の「石」に由来
原子量6.941 融点:180.54 ℃ 沸点:1347 ℃
リチウムは銀白色の金属で、ナイフで切れるほどに軟らかく、すべての金属の中で最も軽い元素です。リチウムは地球上に広く分布しているが、反応性が高いため単体では存在しない。地殻中では25番目に多い元素(1番は酸素)であり、火山岩などに多く含まれている。リチウムの多くはアンデス山脈沿いに偏在しており、チリが最大の産出国であるが、世界的にリチウムの需要は大きいため、最近では海水からリチウムを回収する技術の開発が進められている。
リチウムは1817年にヨアン・オーガスト・アルフェドソンがペタル石の分析によって発見した。しかし、アルフェドソンはリチウムを単離することはできず、1821年にウィリアム・ブランドが電気分解によってはじめて金属リチウムを単離した。
閑話休題
リチウムは陶器やガラスの添加剤、光学ガラス、電池、医薬品等幅広い分野で利用されている。我々に一番身近な利用例としては「リチウムイオン電池」であろう。リチウムイオン電池はスマホや電気自動車のバッテリーとして様々なところで利用されている。リチウムイオン電池の利点としては、起電力・エネルギー密度が大きく軽量であることが挙げられます。このため、多くの電気を必要とするパソコンやスマホといった電子機器に利用されています。
赤駒
リチウムの用途は、電池や合金といった材料としての用途だけではなく、薬にも使われています。特に炭酸リチウムは、双極性障害の躁状態の感情の高まりや行動を抑え、気分を安定化させる効果を持ちます。このように、リチウムには衝動性や攻撃性を抑える作用があるとされているため、犯罪や自殺、認知症の予防に役立つのではないかと言われています。
青駒
リチウムの利用として現在も様々な研究が続けられています。例えば、リチウムイオン電池の進化させたリチウム空気電池や全個体リチウムイオン電池があります。また、リチウムイオン電池には、多くのレアメタルが使われていますが、レアメタルを使わずに、手に入りやすい元素を使って同程度の性能の電池を作る研究もされています。これらの研究はこれからもどんどんと発展していきますので、興味がある方はぜひ大学で研究してみてください。
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文理学院吉原校 理系担当 伴野