数学を学んで何をする

鎌矢です。

そろそろ夏ですね。夏期講習の登録も終わったころでしょう。

この機会に、ジャンジャン勉強して行きましょう。

将来の為に!

 

将来の為って、なんなんでしょうね。私は数学の先生です。私の人生、数学を学ぶことで何が起きたのでしょうか。今回は、そんな私の数学経験の話です。

 

数学は、人生において、何かを助けてくれたりしません。

これは私が今も昔も思っていることです。…だいぶ思想が強いですがね…

人生に必要なものは、数学というより、算数です。物の売買、収入支出など、これらの算術は流石に必須です。和や差、割合、単位などの知識は、普通に生きるために、無くてはならない存在です。

 

一方小学校から中学校に上がり、「数学」となると、負の数、一次関数、√など、数学的なものが出てきます。…これ、普段の生活で利用しますかね?

1時間後のことを、-1時間前とは言わず、机を買う時に2[m2]のものが欲しいから幅と奥行き√2 [m]だなともせず、当然、点Pが街中を動き回って三角形を作ることもありません。授業とテストでのみ、必要でした。

正直私も、数学はテストの点が稼げるからという理由で学んでいた側面が大きいです。確かに高校の数学知識も大学で必要でしたが、社会人で粒子沈降速度なんて使うこともありません。なので、生きるのに必要なものが欲しければ、算数を学ぶべきです。

 

数学をなぜ学ぶのかという疑問は、私も持っていました。

確かに数学が使われているものがあることは知っています。このブログを書くのに使われているPCなど当然利用されているし、皆さんが持っているスマホも、内部でプログラムが数多の計算を行っています。あの想像上の概念たる複素数でさえ、MAPアプリの回転に利用されているのです。ですが、内部でどんな計算をしていようと、それを理解せずとも、スマホもPCも使うことが出来るのです。

 

…ここですね。

これまでの話、算数だけでなんとかなるのは、「消費者」の立場だからです。

数学は、この消費者以外の立場になる時に必要なのです。大人になり、社会人側になり、やりたい仕事を探し、それが「新しいスマホやPCを開発したい」ときに、数学が必要になるのです。数学ができなければ、計画も開発もできなくなるのです。私の前職は工場を設計する仕事「プラントエンジニアリング」ですので、機械の能力と時間当たりの処理速度など、計画するには数学は必須でした。

 

「数学を学ぶんだ そうすればお前はもっと遠くへ行ける」

最近目にした漫画のセリフです。先ほど私は、数学は人生において、何かを助けてくれないと話しましたね。算数は出来ないと、生きるうえで困ってしまいますが、数学は出来なくても、生きるだけには支障はそうそうないです。ただ、できるようになれば、遠くへ行ける。

「何かを成したい」ときに絶対的な力になるもの、それが数学だと思っています。

 

皆さんの次の大勝負は、大学受験です。高校受験は「近い所」「学力足りる所」「制服が良い所」など、環境に縛られた理由で決めている方も多数だと思いますが、大学受験から、「将来やりたいことはなにか」という問いかけが多くなったと思います。ここからです、ここから皆さんの人生を皆さん自身がどう彩るかが問われています。

みなさんの将来は無限の可能性を秘めています、なんて聞き飽きたセリフでしょうが、学を修めて力を得て、将来何かを成したいと思った時に、それを成し遂げられるような大人になれることを願っております。

じゃ、夏期講習、頑張りましょか。