イギリスのエリザベス女王が亡くなり、新しくチャールズ国王が即位しました。正しくはエリザべス2世女王、チャールズ3世国王です。2世の子だから3世ではなく、過去に同じ名前の王(女王)がいたので区別するため〇世と付けます。ただ在位中、国王(女王)はただ一人なのでわざわざつけなくても間違えることはありませんから、〇世と呼ぶことは(少)ないのです。同じ名前の王、女王が現時点でいないため、〇世とならない王、女王としては、ジョン王、アン女王、ヴィクトリア女王などがいます。
エリザベス1世は、テューダー朝最後の女王で、絶対王政全盛期の女王です。一方チャールズ1世は、スチュアート朝2代目の王で、絶対王政的政策を続けようとして失敗、教科書にも載っているピューリタン(清教徒)革命で処刑されました。その後、一時共和制を経て王政復古したときの王が、1世の子チャールズ2世です。即位後大人しくしていましたが、のちに反動化、弟のジェームズ2世の代に起きる名誉革命の一因を作ります。その意味では2人とも結構残念な王ということになります。しかし、見方を変えると「君臨すれども統治せず」の立憲君主制と、後に大英帝国と呼ばれる繁栄を導く議会制度の2つを、世界に先駆けて確立させるきっかけを作った王と考えると、重要な役割を果たしたのかもしれません。政治権限がないとはいえ、よくも悪くも話題になり、影響力の大きい英国王。新国王の時代はどんな時代になるのでしょう。