校舎ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
副校舎長の横森です。
さて、一週間経ちました。
毎週金曜日にブログの当番になっている私ですが、先週金曜日は触れるか触れまいか迷い、
いやいや、多くの方にご覧いただく(はずの)商用ブログで触れるには、
どれだけ弔意を示しても軽率ではないかと思い避けた話題があります。
一週間経ちましたので。
そして、国を率いた氏の志を尊重して、
社会科の観点から、故・安倍晋三元首相の事件について触れさせていただきます。
大和西大寺駅。
私、去年の12月に弾丸旅行で立ち寄りました。
とてもキレイな街なんですよ。
山梨よりは都市化しているんですが、
かと言って首都圏のような慌ただしさがない、
歴史の重みを感じさせる落ち着いた重厚な街です。
ここで日本の歴史上最長政権を担った安倍晋三氏が射殺される痛ましい事件が起きたのが一週間前。
(安倍首相が辞任を表明した際の山日号外です。下吉田の荒井先生から去年いただきました)
みなさん、ニュースに触れていかが感じられましたか。
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少なくとも、「へぇー」とだけ思った人はいないでしょう。
私は安倍元首相の第一次政権がちょうど中学1年生のとき。
政治や社会科に興味を持ったその当時の総理大臣が安倍首相でした。
「美しい国日本」
というスローガンを今でも覚えています。
そして歴史上最長の政権、第二次政権。
各国の首脳とファーストネームで
「ドナルド!」「シンゾウ!」
「ウラジミール!」「シンゾウ!」
と呼び合う姿で行った、強く友好な姿勢の外交施策が印象深いです。
調べていただければ各国の首脳と友達のように交流する
安倍元首相の写真が出てきますが、
間違いなく氏は国際的な日本の地位を向上させました。
そういう姿を中学生の頃から見てきた私としては、
今回の事件、ショックの一言です。
筆舌に尽くしがたいとは本当にその通りなんですが、
なんと言葉にしたらいいかわからないくらい悲しく、腹立たしい事件です。
そういう方も多いのではないでしょうか。
首相経験者で殺害された人物は振り返ってみると、
伊藤博文・原敬・浜口雄幸・犬養毅・高橋是清・齋藤実、そして安倍晋三氏、
7名もいることがわかります。
このうち、中学校歴史で学ぶのは、
・1909年伊藤博文暗殺事件@ハルビン
・1921年原敬暗殺事件@東京駅
・1932年五・一五事件(犬養毅)
・1936年二・二六事件(高橋是清、齋藤実)
ですね。浜口雄幸首相については触れません、、、。
教科書にも名前が出てくる事件や人々です。
安倍元首相も教科書にお写真が載っていますが、
いずれもしかしたら暗殺事件として載るのかもしれません。
みなさん、教科書上の事件についてどう感じますか?
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多くの方が、そこに人の感情を持ち込まないのではないでしょうか。
例えば、本土空襲という言葉が出てきたとき。
痛ましく感じて涙を流すかたはたぶん少数派ではないでしょうか。
例えば、壇ノ浦の戦いで平家が滅亡したと読んだとき。
自分の親戚である平家の人々がバタバタと討ち取られて、祖母に抱えられて入水に及んだ安徳天皇を考えて涙を落とした人をやはり見たことがありません。
ですが、きっと当時の人達は感じたはずなんですよ。
悲しかったり嬉しかったり誇ったり悔しかったり。
原敬首相が刺されたときも、犬養毅首相の暗殺を新聞一面でみたときにも、
きっと当時の人々はそれぞれに感じたはずなんですよ。
大きな事件の後には、歴史上の事件に直面した人々の生きた感覚が分かります。
そういった思いが積み重ねられたのが「歴史」なのです。
そして、
それが教科書に載り、リアルタイムに直面した人々が減り、
ただの受験用の「単語」になり風化するのも歴史の作用です。
しかし、積み上げられた頂上の「今」の下には、たっくさんの「過去」が必ずあります。
そして「今」は常に頂上なのではなく、いずれ「未来」が乗ってきます。
今は過去の帰結であり、未来は今の積み重ねでどうとでもなるわけです。
我々も生きています。
我々が直面したことと直面することは、
いずれ教科書に載り、受験用の単語になるかもしれません。
「そんな、学んでくれよ!」
と思いませんか?
そうなんです。
歴史を学んで未来に活かすこと。
それを「温故知新」と古代言いました。
そして西ドイツの首相ヴァイツゼッカーも
「過去に対して目を閉じることは、未来に対して盲目になることだ」
と指摘しています。
みなさん、歴史を学んでください。
ただ「受験用の科目」としてではなく。
そして、皆さんの体験したこと経験したこと感じたこと、
それをみなさんの気持ちとともに次の世代へ伝えていってください。
そうすることで、歴史が受験用のお勉強ではなく、
未来を作る学問として意味を持つはずです。
そうすることで、過去の人々も未来の役に立つことができます。
国葬の開催が決定しましたね。
首相経験者の国葬は、
・伊藤博文(1909年)
・山縣有朋(1922年)
・西園寺公望(1940年)
・吉田茂(1967年)
に続いて5例目。戦後では2例目ですね。
それだけ功績を残した方ということです。
最後になりましたが、安倍晋三元首相のご逝去につきまして、
謹んでお悔やみ申し上げます。心よりご冥福をお祈り申し上げます。