ナトリウム
語源:ラテン語の「soda固体」や「natronソーダ石」に由来
原子量22.99 融点:97.72 ℃ 沸点:883 ℃
ナトリウムは食塩などの化合物として存在しており、1807年にイギリスの科学者ハンフリ・デービーが水酸化ナトリウムを電気分解することによって発見した。化合物から単離された金属ナトリウムは、光沢のある銀白色の固体で、水よりも軽く、刃物で切ることができるほど柔らかい。また、金属ナトリウムは空気中で容易に酸化されるうえ、水とは激しく反応して水素を発生するため、石油中で保存される。
閑話休題
ナトリウムの代表的な化合物に塩化ナトリウムがある。食塩のほとんどがこの塩化ナトリウムであり(約97 %)、栄養成分表にはナトリウム何 gと記載されている。ナトリウムは生体内で、神経伝達、体液のpH調整といった働きがあり、細胞内のナトリウム濃度が一定となるように調整されている。ただし、過剰摂取すると浸透圧の関係により、血管内の水分が細胞内に移動してしまうため、高血圧の原因になってしまう。
赤駒
ナトリウムの多くは食品関係で使われていますが、それ以外にも工業的にも使われています。ナトリウムは融点が低く、沸点は水よりも高いため、単体もしくはカリウムとの合金という形で原子炉の冷却材に使用されています。日本では高速増殖炉の冷却材として利用されていました。また、ポリ塩化ビフェニルというプラスチックと反応させると、化合物中の塩素と反応して塩化ナトリウムとなる。分子内に塩素を持つプラスチックは環境に大きな負荷をかけるため、ナトリウムによって無害化させるといった、環境保全の面でもナトリウムは使われています。
SCIENCE is ELEGANT
「知る」ことで世界が「広がる」、「学ぶ」ことで世界が「色付く」
文理学院吉原校 理系担当 伴野