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【吉原校高等部】読書のススメ(番外編)

国語界の王、「THE KING」あらかわです。この校舎ブログでは私が面白いと思った小説や作家をいろいろと紹介し、能書きを垂れたいと思います。

今回はいよいよノーベル賞発表間近(文学賞は10/10(木)?)ということで、、

毎年恒例の2024ノーベル文学賞予想【最終確定版】をしてみます。ちなみに候補者は非公開です。
この10年で4回的中させている私が分析・吟味・検証を重ねた結果、神に選ばれた今年の受賞者候補は以下の作家たちです。
ちなみに今年は女性が受賞すると予言しておきます。候補者は非公開ですが。

本命(◎)はヨーロッパの作家から
ネイヤ・マリー・アイト(デンマーク)
エルタ・キンスキー(ドイツ)

対抗(〇)はこの3名
ジェニー・エルペンベック(ドイツ)
レイチェル・カスク(イギリス)
エレン・シクス―(フランス)

単穴(▲)はこの4名
ハン・ガン(韓国)、小川洋子  多和田葉子
ジョイス・キャロル・オーツ(アメリカ)

大穴(△)はこの5名
金井美恵子  川上未映子
マリリン・ロビンソン(アメリカ)
タン・トゥエット(中国/ベトナム)
ソルベイ・バッレ(デンマーク)

ちなみに候補者は非公開です(←大事なことだから3回言いました)。的中したら「神は実在した」とSNS等で拡散するべし!

【吉原校高等部】読書のススメ(その3)

国語科の「THE KING」あらかわです。この校舎ブログでは私が面白いと思った小説や作家をいろいろと紹介し、能書きを垂れたいと思います。

2010年本屋大賞第2位にも輝いた『神様のカルテ』の紹介です。
ドラマ化や映画化もされた作品なので、知っている方も多いと思う。

3つの短編からなるこの作品は、その短さとは裏腹に「地域医療」「命」「尊厳」「恋愛」「友情」「人生」「医者の使命」などなど、みんなが大好きなテーマがこれでもかと詰め込んである。だからといってごちゃごちゃした作品では全然なくて、シンプルにまとまった読みやすい作品である。シンプルなのに重みがあるとか優秀すぎ・・・。多くのテーマを抱えているからこそ、誰もの心に引っかかるポイントがある。 たぶん、好きにならない人はいないだろう。無敵タイプの作品だと思う。続編が出るってことはそういうことでしょ。

『神様のカルテ』は一風変わった語り口で展開される。すべて主人公の栗原一止(いちと)視点で語られているのだが、この男が作品内において「夏目漱石マニアの変人」という設定になっているので、これを反映した語り口だ。ぱっと見は古風な言い回しが多用されていて堅苦しい印象を受けるが、その実態はボケと悪態であり、そのギャップに思わず笑ってしまう。『神様のカルテ』が多くの人に受け入れられたのは、この独特な語り口にもあると思う。

私は医療の専門知識があるわけではないので、『神様のカルテ』で描かれる医療現場の様子が事実なのかどうかとか、医療知識が正しいのかは分からない。しかし作中で出てくる医療知識の取り扱われ方があまりにも自然なので、雰囲気としての説得力がかなり高い。分かっている人、という感じがビンビンする。まあ現役の医者が書いているのだから、当然の話だろう。

現役の医者が書いたからといって小説が売れるとは思わないが、フィクションにとって必要な「説得力」を生み出すためには、本物の知識がある人の方が適任であることは間違いない。だからこそ小説家は新作を書くときに必死に勉強したり、取材に走ったりする。

で、『神様のカルテ』の場合、もろに地域医療の最前線を描いていることもあり、作者の夏川草介の面目躍如。思う存分語ってくれている。容態の急変した患者が出てくるシーンで飛び交う医療用語の弾丸には、意味が分からなくても本物の緊張感が溢れているし、「医者はどこまで患者を生かすべきか?」という非常に難しい問題には、最前線で戦う医者の苦悩の片鱗を見せている。
現役の医者が持つそんな「本物」をフィクションの世界に溶け込ませることで、優秀な作品に仕上がっているのだ。ただのフィクションには生み出せない「重み」がある。自らの持つ医療知識を金儲けに使っていると言ってしまえばそれまでだが、医者がエンタメに徹すると優秀な作品ができる、という好例だと思う。

以前何かの記事で読んだのだが、欧州では胃瘻(いろう)が虐待と認識されているそうだ。なにかと言えば欧州を例に挙げてしまうのが後進国日本の悲しさだが、新しい価値観を勉強する上では仕方ないだろう。胃瘻とは胃に直接栄養を送り込み、患者の意識がなくても無理やり生かすことができる、という医療技術である。患者本人にしゃべったり、意思を伝えたりする能力があればいいが、寝たきりだったり、植物状態だったりする場合、胃瘻が患者にとって本当に幸せなことなのかは、難しいところだ。「早くラクになりたい」と思っているかもしれないし、「ずっとこのままにしてほしい」と思っているかもしれない。とにかく分からないのだ。
きっとこれから先、さらに似たような問題は増えることだろう。医療技術が進歩はしても、退化することはないからだ。『神様のカルテ』はフィクションでありながら、私たちの人生にも関わる大きな問題を突きつけてくる。いや、そんな激しさはないか。物語を通して優しく語りかけてくる。「あなたはどう考えるか?」と。

間接的にではあるが物語の中の死に触れることで、読者の中に「死との距離感」が生まれることだろう。死は誰のもとにも平等に訪れるが、その一方でいつ訪れるかは誰にも分からない。だからこそ、死に対する距離感がつかめないまま、私たちは日々を過ごしている。近くにある些細なことばかりに目を向けて生きている。遠くを見れば、その限られた道のりに絶望するからかもしれない。見なければ「自分には関係ないことだ」と逃避できる。

しかし、私たちが本当に命を全うしたければ、まずは死を見つめなければ話にならない。期限がないものに人は本気になれない。本気とは必死になることである。真剣になることなのだ。
いつだって我々の命は限られている。その限られた命を何に使おうか。そんな問いのひとつの答えが『神様のカルテ』には描かれている。

是非読むべし! 以上!!

【吉原校高等部】CIENCE is ELEGANT vol.水素

こんにちは。吉原校舎理系担当の伴野です。この校舎では高2と高3の物理と化学の授業を担当しています。文理のブログでは多くの先生が様々な情報を発信していますが、ここでは私が数年前に理系の知識を垂れ流していた「SCIENCE is ELEGANT」を復活させたいと思います。ではでは…

水素
語源:ギリシア語の「hydro水」と「genes源」に由来
原子量1.0079 融点:-259.14 ℃ 沸点:-252.87 ℃

水素は陽子1個と電子1個という最も簡単な構造からなる原子であり、宇宙において最も多く存在する原子である。その量はダークマターやダークエネルギーを除くと宇宙の質量の4分の3を占め、全原子の90 %以上となる。その誕生は宇宙が誕生してから約38万年後とされており、それまでの宇宙は陽子と電子がバラバラのプラズマ状態であったとされている。
水素は1766年にイギリス人のヘンリー・キャベンディッシュによって発見されました。水素は発見当初、鉄を酸で溶かしたときに発生する「燃える気体」として認知されていました。しかし当時は、燃焼とはフロギストン(燃素)という物質の放出であると考えられていたため、水素は元素として認識はされていませんでした。水素が元素の一つとして認められたのは、フランスの科学者アントワーヌ・ローラン・ラヴォアジェによってフロギストン説が否定されたのちのことである。ちなみに、水素の命名者はこのラヴォアジェである。

閑話休題

みなさんは水素についてどの程度の知識を持っていますか。上の話は水素の基礎的なものですが、現代において水素のさまざまなところで活用されています。例えば、ロケットや燃料電池、水素エンジン自動車の燃料などです。水素は燃焼によって水のみを生成するため、環境にやさしい燃料として注目されています。

黒駒

水素を得るには様々な方法があります。1つ目は、化石燃料や天然ガスを原料として水素を得る方法です。この方法で得られる水素を「グレー水素」といいます。「グレー水素」は製造過程で二酸化炭素を排出するため必ずしも環境にいいとは言えません。
2つ目は、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することで水素を得る方法です。この方法で得られる水素を「グリーン水素」といいます。「グリーン水素」は製造過程で二酸化炭素を排出しないため、環境にいいといえます。しかし、再生可能エネルギーを水の電気分解に使わずに、直接電気として使えばいいじゃんという考えもあります。

赤駒

水素の製造方法には他に、光触媒物質を用いる方法もあります。光触媒物質を使うことによって、光を当てるだけで水を水素と酸素に分解することが可能になります。現在では、水を分解するのにより効率のよい光触媒物質の研究が世界中で行われています。日本でも多くの大学で研究がされているので、興味のある人はぜひ化学の道に進んでみてください。

SCIENCE is ELEGANT
「知る」ことで世界が「広がる」、「学ぶ」ことで世界が「色付く」

文理学院吉原校 理系担当 伴野

【吉原校高等部】予定表(9月中旬以降)

こんにちは。吉原校高等部です。

9月中旬からの予定表です。ご確認ください。

英検対策を実施しています。学校などで受験する方も参加できます。文理で受験する方は、10月5日が本番です。

〈富士東高校1・2年生へ〉
9月16日(月)、23(月)は特別日程になっています。20:00~21:00で全員参加の自習・補習・質問タイムです。中間テストがあるので、たくさん勉強しましょう✏

(ひ)

【吉原校高等部】台風10号への対応

平素は送迎等ご協力いただきまして、誠にありがとうございます。
表題の件につきまして、皆様も報道等でご存じのように、台風10号の進路は定まってはおりません。陸上を移動しており風力は弱まっていますが、雨の影響は9月3日(火)ごろまで続く見通しだそうです。また、静岡市では8月29日夜非常に激しい雨がふり、避難勧告が発令された地域もあります。断続的に降り続く模様ですので、河川の氾濫、家屋への浸水等充分お気をつけください。天候により通塾が困難な場合は無理をせず欠席して下さい、振替の補習は吉原校高等部にお問合せ下さい。

文理学院の対応ですが、9月3日(火)までの校舎予定に変更はありません。しかし、天気の急変により、休講等の措置を取る場合もございます。変更がありましたら、校舎ブログを更新いたしますので、この期間の通塾時には弊社HPから校舎ブログをご確認下さい。
お手数をお掛けいたしますがよろしくお願いします。
文理学院吉原校高等部校舎長 若山 響

【吉原校高等部】台風10号の対応について(訂正)

大型の台風10号が接近しています。8月28日現在、予報円が非常に大きく最接近が予想しにくい状況です。文理学院は8月30日(金)までは通常通り授業を行います。8月31日(土)、9月1日(日)については、8月30日(金)に再度ブログにてお知らせいたします。
尚、台風接近前でも悪天候になる場合もございます。通塾に関しては安全を優先して下さい。宜しくお願い致します。

吉原校 高等部

【吉原校高等部】高校生が中学生に向けて講話をしました!(学調特訓)

こんにちは。吉原校高等部です。

8月12日学調特訓2日目。学調特訓最後には、表彰式と高校生からのエールを送りました。高校生のリアルな声が聞けて、中学3年生も真剣に聞いていました。中学生は、高校生活についての疑問点が質問でき、これから受験まで前を向いて勉強に取り組めるような会となりました!お手伝いしてくれた高校生、ありがとうございました✌


富士東高校1年生✨仲良し3人で楽しく語ってくれました!


吉原高校2年生✨勉強と部活の両立を頑張っている高校生がエールを送りました!


学調特訓1日目に私も参加しました!!高校の数学の話も少し。関数大事ですよ💨

高校生へ、新しい予定表となります。
高3の方は特に予定表を確認して来て下さいね。

さあ、高校生もたくさん勉強だ!!
(ひ)

読書のススメ(その2)

国語科の「Estoy ocupado.」あらかわです。この校舎ブログでは私が面白いと思った小説や作家をいろいろと紹介し、能書きを垂れたいと思います。

 

お待たせしました。お待たせし過ぎたかもしれません。

では「その1」からの続きで、森絵都の最高傑作であり、2017年本屋大賞第2位にも輝いた『みかづき』の紹介です。

 

1部と2部は不器用な夫婦の物語になる。これがまあ面白い。何が面白いって、教育に対して真摯に向き合う夫婦ふたりのぶつかり合いだ。

よくある勧善懲悪ものであれば、正義に対して分かりやすい悪、つまり「間違っている存在」がいれば読者に提示しやすい「対立構造」が生まれる。物語とは結局のところ、この「対立」を如何にして解消するかに尽きる。

しかし、登場人物全員が善人だった場合になると、誰もが間違っていない。誰もが正しいことをしている。それぞれの正義の形が違うがゆえに、ぶつかり合う。お互いの正義を主張するために相手を貶める。当然答えがあるわけではなく、お互いにただお互いの正義を「信じている」だけである。ここに強烈なドラマが生まれる。だがそれでも登場人物たちを嫌いにはなれない。彼らはただただ自分の正義を信じて、みんなが幸せになる方法を模索しているだけなのだから。

 

で、その夫婦の諍いを描いたあとに続く最終章は、夫婦の孫が主人公になる。しかしここに来て、今まで物語のすべてを背負ってきた夫婦から孫へと視点を移したことで、ここまで保っていたテンションが落ち着いてしまうのだ。

しかも夫婦が常に抱えてきた難問「日本の教育を変える!いつやるか?今でしょ!!」に比べて、孫の悩みがまぁ小さい。そのスケールの小ささに思わず「お前、しっかりしろよ」と言いたくなる。

だが、そこはさすがの森絵都である。ちゃんとそれも計算ずくで構成されている。大団円のラストへと突っ走ってくれる。

 

 

私は『みかづき』を読み終わったときに思った。これだけの満足感を読者に与えるために、森絵都はこれだけの文量を必要とし、そして3部構成の物語を築き上げたのである。この満足感は、個人的に「面白い小説3冊分」であった

 

 

タイトルの『みかづき』は、我々人間の未完成さを皮肉る象徴として使われることもあれば、すべてを満たすことはできない「教育」の比喩としても機能している。考えてみれば、私たちは常に足りないものに目を向けて生きている自分の足りない部分が気になって仕方がない。

「足るを知る」ということも重要であるが、足りなさに目を向けるだけのハングリーさがあるからこそ、「次の世代には、未来はもっと良くなってほしい」という願いが生まれ、教育というシステムが構築されていくのだ。この願いは非常に尊いと思う。

 

 

私たちはいつまでも「みかづき」である。でも「みかづき」だからこそ生まれる美しさが、いつだってあると思う。

【吉原校高等部】夏期講習、まだまだ申し込みできます!

こんにちは。吉原校高等部です。

まだまだ夏期講習の申し込み受付中です。2日間で単元別の講座や大学の過去問を扱う講座を用意しております!
詳細は吉原校舎TEL 0545-53-0050までお気軽にお問い合わせください。

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8月後半の予定表です。一部講座の曜日・時間帯が変更になっています。ご確認ください。
1、2年生は夏休み期間のため授業時間を増やしています。先取学習で2学期へ最高のスタートダッシュだ✨✨✨

(ひ)