水素
語源:ギリシア語の「hydro水」と「genes源」に由来
原子量1.0079 融点:-259.14 ℃ 沸点:-252.87 ℃
水素は陽子1個と電子1個という最も簡単な構造からなる原子であり、宇宙において最も多く存在する原子である。その量はダークマターやダークエネルギーを除くと宇宙の質量の4分の3を占め、全原子の90 %以上となる。その誕生は宇宙が誕生してから約38万年後とされており、それまでの宇宙は陽子と電子がバラバラのプラズマ状態であったとされている。 水素は1766年にイギリス人のヘンリー・キャベンディッシュによって発見されました。水素は発見当初、鉄を酸で溶かしたときに発生する「燃える気体」として認知されていました。しかし当時は、燃焼とはフロギストン(燃素)という物質の放出であると考えられていたため、水素は元素として認識はされていませんでした。水素が元素の一つとして認められたのは、フランスの科学者アントワーヌ・ローラン・ラヴォアジェによってフロギストン説が否定されたのちのことである。ちなみに、水素の命名者はこのラヴォアジェである。
閑話休題
みなさんは水素についてどの程度の知識を持っていますか。上の話は水素の基礎的なものですが、現代において水素のさまざまなところで活用されています。例えば、ロケットや燃料電池、水素エンジン自動車の燃料などです。水素は燃焼によって水のみを生成するため、環境にやさしい燃料として注目されています。
黒駒
水素を得るには様々な方法があります。1つ目は、化石燃料や天然ガスを原料として水素を得る方法です。この方法で得られる水素を「グレー水素」といいます。「グレー水素」は製造過程で二酸化炭素を排出するため必ずしも環境にいいとは言えません。2つ目は、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することで水素を得る方法です。この方法で得られる水素を「グリーン水素」といいます。「グリーン水素」は製造過程で二酸化炭素を排出しないため、環境にいいといえます。しかし、再生可能エネルギーを水の電気分解に使わずに、直接電気として使えばいいじゃんという考えもあります。
赤駒
水素の製造方法には他に、光触媒物質を用いる方法もあります。光触媒物質を使うことによって、光を当てるだけで水を水素と酸素に分解することが可能になります。現在では、水を分解するのにより効率のよい光触媒物質の研究が世界中で行われています。日本でも多くの大学で研究がされているので、興味のある人はぜひ化学の道に進んでみてください。
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文理学院中島校 理系担当 伴野